会長挨拶

>ホーム > 会長挨拶

会長

第20回日本臨床毛髪学会学術集会を2015年12月5日(土)および6日(日)に高知市で開催させて頂きます。伝統ある学会のお世話をさせていただくことを大変光栄に存じております。私が毛髪疾患に興味を持ち始めてから早いもので30年の月日が流れました。当初は男性型脱毛症に有効な薬剤はなく、女性型脱毛症にいたってはその存在も知られていませんでした。まず蛍光抗体法を用いて円形脱毛症の毛球部浸潤リンパ球の解析を始めましたが思わしくなく、当時の名古屋大学皮膚科大橋勝教授に相談したところ、「毛の培養をやりなさい。」とのことでした。それから培養条件の改良を重ね、培養毛包細胞を使っての育毛成分のscreeningが可能になりました。その後、フィナステリドという内服育毛剤が認可され、今年はさらにデュタステリドも販売されます。また、睫毛用育毛剤も出てきました。まさに毛髪医療は単に美容的意味合いだけでなく、QOLにも関わる重要なテーマとなっております。
今回は男性型脱毛症、女性型脱毛症、円形脱毛症の基礎研究から植毛などの外科的治療、内科的治療をご高名な先生方に講演していただく予定です。トピックとして新しい内服薬や睫毛育毛剤をとりあげ、さらに再生医療や遺伝子関連の研究成果もご報告いただく予定です。

こうして考えてみますと、毛髪医療は次第に輝きをまし、研究面の興味深さに加え、実際に重度の男性型脱毛症に悩んでいる方にも再生医療の明るい未来をお話できるまでになりました。このような目覚ましい進歩という観点から今学会のテーマを「見えてきた毛髪医療の明るい未来」と致しました。多くの臨床家、研究者の方にご参加頂き、活発な議論をして毛髪医療のレベルを高め、さらに明日からの診療に役立つ情報を得て頂ければこんな嬉しいことはありません。

高知は坂本龍馬などの偉人、四万十川などの豊かな自然、また美味な食材にめぐまれた土地柄でもあります。多くの方々にご参加頂き、土佐の素晴らしさを満喫して頂ければと願っております。

ページのトップへ戻る